今回はドイツで自炊生活する上で必要となる肉の捌き方を、写真付きで、必要な道具やパッケージの見方などを含めて紹介したいと思います。
また、捌いた肉を使った料理として、僕お勧めの唐揚げや、酢豚の作り方も紹介します。
ドイツに来て、唐揚げや、酢豚など、日本食が恋しくなった人、ドイツのスーパーで骨付きのもも肉を見て、料理が出来ない、捌けないと思った人、醤油、片栗粉など日本の食材の買い方などがわからない人は是非この記事を見てみて下さい。
準備するもの・道具
まず肉を捌くのに必要な道具は以下の3つです。
- まな板
- 包丁
- 包丁研ぎ機
まな板は安いやつで構いません。僕が使っているまな板は3枚セットで€2.99(約360円)のまな板です。
包丁は幅のあるしっかりした物をお勧めします。ちなみに僕が使っている包丁は、ドイツメーカーのWMFの€99(約12000円)の包丁です。ドイツに来た記念に買った物なので少し高いですが、10年たった今でも使える、頼れる相棒です。
包丁研ぎ機はとても重要です。僕も肉を捌くようになって知ったのですが、いい包丁でも、肉を捌くと刃先がすぐに鈍るので、肉を切るたびに包丁を研ぐ事をお勧めします。
僕はツヴィリングの€25(約3000円)の包丁研ぎ機を使ってます。もう3年くらい使っていますが、今でも問題なく使えます。
鶏もも肉・パッケージの見方
道具を準備したら次は肉の捌き方について見ていきましょう。まずは鶏もも肉から説明します。肉の捌き方の他に、実際に売られているパッケージの見方も参考にしてみてください。
鶏もも肉の選び方
鶏は、ドイツ語で「Hänchen:ヘンシェン」 脚は「Schenkel:シェンケル」と言います。なので合わせて「HÄNCHEN-SCHENKEL」が鶏もも肉です。同じ重さで3本入りと4本入りがありますが、捌く回数が少なくて済む3本入りがオススメです。
パッケージの見方
下記の写真を例にパッケージの説明します。まずこのもも肉は僕が好きなカウフランドのKクラシック商品です。
€2.99(約360円)です。(空色の枠)
賞味期限は2019年6月18日です。ドイツでは日付けの表示順が日本と逆になるのが特徴です。(オレンジの枠)
全体重量は1100gです。(緑の枠)
捌きかた・骨の外し方
1.もも肉を綺麗に洗う。
・もも肉を流水で綺麗に洗い、血や血合いを取る。
2.余計な所を切り取る。
・皮や脂肪など余計な所を大まかに最初に切り取ってしましましょう。最初に切り取った方が後の作業が楽になります。
3.の付け根の骨を切り離す。
・足の付け根側にある大きな骨を関節に親指を入れて、割り裂くようにして関節を外す。
・外れた関節に包丁を入れて、付け根の骨を切り離す。
4.骨に沿って関節まで肉を切る。
・ここで改めて、もも肉に2本の骨と1つの関節があるのを指で触って確認する。
・まず足先の細い部分に骨に当たらないように包丁を立てて先端を突き刺す。(赤の枠線)
・突き刺したら、そのまま包丁を骨に沿わせて関節まで肉を切る。
・今度は足の付け根側から包丁を骨に沿わせて肉を切る。
5.付け根側から包丁を入れる。
・関節まで切ったら一旦包丁を肉から抜いて、今度は付け根側から骨に沿って包丁を入れ肉を切る。
6.骨が見えるようにする。
・骨が見えたら骨に着いた肉を包丁を寝かせながら骨に沿って切る。
・片側も骨に沿って切って、関節も骨も、骨全体が完全に見えるように表に出す。
7.骨と肉を切り離す。
・まず付け根側の骨を指で摘み、摘んだ所に包丁を入れて、骨と肉を切り離す。
・足先側の骨も指で摘み、摘んだ所に包丁を入れて、関節方向へ刃先を向けて関節ごと肉と切り離す。
8.足先から骨と肉を切り離す。
・最後は骨を持って、足先から肉と骨を完全に切り離す。
・完成
ポイント
ポイントはまず包丁をよく研ぐ事です。包丁研ぎ機で3〜4回程研ぐといいと思います。よく切れる包丁で捌くと肉の仕上がりもよくなります。またもも肉は柔らかて滑りやすく、切れ味の悪い包丁で捌くのは危険です。
最初はゆっくり刃先を確認しながら行うといいとです。包丁を使うので怪我だけは気を付けて下さい。
個体差がありますが、1本あたり約200g〜300gくらいのもも肉が取れると思います。
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鶏の唐揚げの作り方
今回は僕がよく作っている唐揚げの作り方を紹介します。また片栗粉や酒、醤油などの食材についてはこの記事内の別の項目にまとめているので、そちらを参考にして下さい。
1.もも肉を大きめの一口大に切る。
・人差し指と親指で作った輪っか位の大きさがいいと思います。
2.タレを作る。
・おろしニンニク1片、おろし生姜1片、酒30cc、醤油30cc、ごま油5ccを混ぜてタレを作る。
3.タレに肉を入れよく揉み込み肉にタレを吸わせる。
・肉を揉み込む事でタレが早くお肉に染み込みます。
4.油であげる。
・もも肉に片栗粉を付けて、180℃の油で揚げる。
豚バラ肉・パッケージの見方
次は豚のバラ肉について説明していきます。鶏もも肉より豚バラ肉の方がやり易いと思います。
豚バラ肉の選び方
バラ肉は、骨の場所が見えているのと、骨が肉に埋まって外から見えないのがあります。骨が肉に埋まってるのは難しいので、骨の場所を外から確認できるのを買うことがポイントです。
パッケージの見方
下記のパッケージを例に説明します。豚はドイツ語で「Schwein:シュバイン」、バラはお腹という意味なので、お腹はドイツ語で「Bauch:バオホ」なので合わせて、豚バラは「Schweinbauch:シュバインバオホ」と読みます。
mit Knochen は、「ミット・クノッヘン」と読みます。「mit:ミット」は日本語で「共に」の意味で、「Knochen:クノッヘン」は日本語で「骨」を意味します。なのでこのお肉は日本語で「骨付き豚バラ肉」になります。
€5.71(約620円)(緑の枠線)
賞味期限は2020年07月01日(オレンジの枠線)
全体重量は0.832kg(黄の枠線)
捌きかた
大体の作業の流れは下記の通りです。
1.皮を下にして肉をまな板に置く。
2.骨に沿って切り込みを入れ、骨を取る。
3.これを骨の本数分行う。
4.完成
皮を削ぎ取る
皮を削ぐ時は一度に削ぐのではなく、何回かに分けて細かく皮を削ぐようにすると安全に出来ると思います。
ポイント
鶏もも肉に比べて工程も少なく簡単です。ただ、包丁をよく研ぐというポイントは同じです。また豚バラ肉の選び方でも書きましたが、骨の場所が外から見てわかる肉を買うのがポイントです。
骨が肉に埋もれて外から確認出来ない肉は、骨を取るのがとても難しいので、僕は買いません。
皮はそのままでも構いませんが、肉の臭みが気になる人は皮を削ぎ取ってください。僕は余り臭みが気にならないのと、面倒なので取らずにそのままにする事もあります。包丁仕事なので、怪我だけは気を付けてください。
これも個体差がありますが、ひとつで大体約600gくらいの肉が取れると思います。
酢豚の作り方
豚バラ肉を使った料理で是非オススメしたいのが酢豚です。塊肉を豪快に料理するのはとても楽しいです!
1.豚バラ肉を一口大に切り、片栗粉をまぶす。
2.片栗粉をまぶしたバラ肉を皮目を下にして、150℃の油で中までしっかり揚げる。
3.甘酢あんを作る。
・酢135cc、醤油135cc、砂糖135cc、ケチャップ90cc、酒90cc、みりん30cc、水180cc、片栗粉30ccを混ぜて作る。
4.冷たいフライパンに甘酢あんとバラ肉を一緒に入れ、とろみが付くまで加熱する。
片栗粉・酒・砂糖・醤油・みりん・酢
片栗粉や酒、醤油など、日本料理には欠かすことの出来ない調味料を紹介します。
片栗粉
片栗粉は主にジャガイモから作られるデンプンなのでドイツでも売っています。
ドイツ語でジャガイモを意味する「Kartoffel:カルトッフェル」と小麦粉を意味する「Mehl:メール」、合わせて「Kartoffel-mehl:カルトッフェルメール」となります。
€0.63(約80円)
酒
酒は僕はいつもカウフランドに売っている、日本酒を料理酒として使っています。
€7.99(約960円)
砂糖
砂糖はドイツ語で「Zucker:ツカー」と読みます。ちなみにドイツのツカーは上白糖では無くより純度の高いグラニュー糖です。
€0.75(約90円)
醤油
醤油は最近はドイツを含め、ヨーロッパでも調味料として定着していて、容量も小さなものから大きいものまで様々置いてあって、スーパーでも気軽に目にするようになりました。キッコーマンがメジャーです。下記の1L容器はアジアンショップに売っています。スーパーは150mlで€2.39(約290円)で売っています。
€5.99(約720円)
みりん
みりんは流石にアジアンショップに行かないと手に入りませんが、無くてもそれ程味に影響しないと思います。僕は無くても気にしないのですが、その分お酒を増やしたり、砂糖を増やしたり水で代用するといいでしょう。
€5.99(約720円)
酢
お酢はドイツ語で「Essig:エッスィヒ」といいます。
ドイツで売られているお酢は日本でいうとワインビネガーの様な物になるので、日本料理で使う時はアジアンショップに売っている物を使った方がいいです。
ちなみに下記の写真は韓国の商品ですが、僕の近所のアジアンショップにはミツカンのお酢も500ml€2.99(約360円)で売っています。が、こちらの方が安くてオススメです。
€1.30(約160円)
まとめ
今回は主にドイツで自炊生活をする上で必要不可欠な肉の捌き方について、写真付きで説明しました。
お肉を使ったオススメ料理と、料理で使う日本の調味料、醤油や酒、お酢、片栗粉などにつても紹介しました。
ドイツは日本と違って、もも肉やバラ肉が骨付きで売っているので、料理で使う際に必ず骨を取る一手間が必要になります。
これら肉の捌き方は、僕がドイツに来た当時、ネットにも詳しい情報がなくとても苦労しました。僕はこの方法は日本料理屋でアルバイトをしていた人から教わりました。
この方法を覚えてからは、好きな時にもも肉や豚バラ肉を食べられるようになったので、大変よかったです。
僕は海外に長く滞在するにつれ、食の重要度が高くなってくるように感じています。
ドイツでも気軽に日本食を作れるようになる事で、ドイツでの生活がより楽しくなると良いなと思っています。
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